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星の出自とは──スターシードと呼ばれる四つの名が、実際には何なのか

この記事の要点

星の出自とは、実在する星の名を借りて、人の性質や魂の来歴を分類する現代スピリチュアルの枠組みで、スターシードとも呼ばれます。挙げられるのは主にプレアデス・シリウス・アンドロメダ・アルクトゥルスの四つで、いずれも天文学上たしかに存在する星団・恒星・銀河です。

星の出自とは──四つは、まず実在の天体です

「星の出自」あるいは「スターシード」という言葉は、自分の魂がどの星から来たのかを分類する枠組みとして使われます。挙げられる名前はプレアデス、シリウス、アンドロメダ、アルクトゥルスの四つが多く、それぞれに性格の特徴が結びつけられています。まず押さえておきたいのは、この四つがすべて、天文学の側に実在する天体の名だということです。

ただし、四つは同じ種類のものではありません。プレアデスは星の集団、シリウスとアルクトゥルスは肉眼では一点に見える恒星、アンドロメダにいたっては星ではなく銀河です。規模も距離も桁の違うものが、同じ一覧に並んでいます。この不ぞろいは、枠組みの成り立ちを考えるときの手がかりになります。

一覧に挙がる星は、書き手によって少しずつ違います。四つが定番ですが、リラやオリオン、金星などが加わることもあり、決まった正解表があるわけではありません。この言葉に出会う場所も、SNSの特徴リスト、無料診断、対面のリーディングとさまざまです。共通しているのは、どれも天文学ではなく語りの側から出てきているという点です。

プレアデス・シリウス・アンドロメダ・アルクトゥルスとは──天体としての姿

プレアデスは、おうし座にある散開星団です。数百個の若い星が同じ雲から生まれた集団で、距離はおよそ四百四十光年。肉眼では六つほどの光が寄り集まって見えます。日本名は「すばる」。一つにまとまるという意味の古語に由来するとされます。清少納言の『枕草子』には「星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし」という一節があり、千年前の日本で、星を挙げるならまず「すばる」と書かれていた記録が残っています。

シリウスは、おおいぬ座のα星。太陽をのぞけば、地球から見えるいちばん明るい恒星です。距離は約八・六光年で、恒星としては近い部類に入ります。肉眼では一点に見えますが、実際には連星です。白い光は主星のもので、そのそばを、白色矮星となった伴星がまわっています。伴星は暗く、望遠鏡でなければ見えません。古代エジプトではソプデトと呼ばれ、暦の要でした。太陽の光に隠れていたこの星が明け方の東の空に再び現れる日が、ナイルの増水の時期とほぼ重なったためです。星を見て一年の区切りを決める実務が、実際に運用されていました。

アンドロメダは、星ではなく銀河です。天の川銀河のとなりにある渦巻銀河で、距離はおよそ二百五十万光年。含まれる星の数は数千億から一兆個の規模と見積もられています。肉眼で見える天体としては最も遠い部類で、秋の空に淡いにじみとして見えます。名前の由来はギリシャ神話の王女で、いけにえとして岩につながれたところをペルセウスに救われた姿が、星座として空に置かれました。これが天の川の外にある別の銀河だと確かめられたのは、一九二〇年代のことです。

アルクトゥルスは、うしかい座のα星。橙色に見える巨星で、北の天では最も明るい恒星です。距離は約三十七光年。北斗七星の柄のカーブをのばしていくと行き当たるので、春の空では見つけやすい星です。日本では、この星が空にかかるころに麦が実ることから「麦星」と呼ばれました。一九三三年のシカゴ万国博覧会では、この星の光を望遠鏡で受けて会場の照明を点す演出が行われています。四十年前に出た光が届いた、という当時の距離の理解にもとづく趣向でした。

「星の出自」という分類は、どこから来たのか

星と人の性質を結びつける発想そのものは古くからありますが、いま流通している「星の出自」「スターシード」の枠組みは、近代のものです。土台のひとつは十九世紀の神智学にあり、宇宙の他の天体に高度な存在がいるという語り方はそこから広がりました。星の名と性格の一覧がそろった形になったのは、一九七〇年代以降のアメリカのニューエイジ運動のなかでのことだとされています。ただし、誰がいつ最初に一覧の形にしたのかを厳密に追った研究は見あたらず、年代の輪郭はおおよそのものです。

プレアデスが特に知られるようになったのは、チャネリングと呼ばれる形式の書物の影響が大きいとされます。バーバラ・マーシニアックが一九九二年に発表した『Bringers of the Dawn』(邦訳『プレアデス+かく語りき』)はその代表で、日本語圏でもよく読まれました。一九七〇年代には、スイスの男性がプレアデス系の異星人と接触したと主張し、提示された写真が模型だと批判された事例もあります。

ここで大切なのは、これらが天文学の発見から出てきたものではない、という点です。プレアデス星人やシリウス人の存在を示す観測結果はありません。太陽系の外にある惑星は数千個が確認されていますが、特定の恒星のまわりに知的生命が見つかった例は、いまのところ一つもありません。「まだ証明されていない」というより、「そう語られてきた」という位置づけになります。

スターシードのスターシードの特徴リストが、どれも似ている理由

SNSで見かける特徴の一覧を、いくつか並べて読んでみてください。プレアデス系は共感力が高く癒やしを好む、シリウス系は使命感が強い、アンドロメダ系は自由を求め束縛を嫌う、アルクトゥルス系は理知的で仕組みを考える。おおむね、こう語られます。ただ、どの一覧にも「集団になじめない」「幼いころから違和感があった」「地球が生きづらい」が並び、星の名を入れ替えても読めてしまうことが少なくありません。

これは、心理学でバーナム効果と呼ばれる働きでよく説明されます。一九四八年に心理学者フォアが行った実験では、全員に同じ性格記述を配ったのに、多くの学生が「自分によく当てはまる」と評価しました。誰にでも当てはまる書き方は、自分だけに向けられた言葉として受け取られやすいのです。当たったと感じた強さは、内容の正しさとは別の軸にあります。

天文学の側からも、ひとつ添えておきます。プレアデスは、生まれてまだ一億年ほどと見積もられる若い星団です。地球では、生命が生まれてからいまの姿になるまでに数十億年かかりました。同じ道筋を想定するかぎり、この星団に文明が育つ時間は足りていません。ただしこれは地球という一例からの見積もりで、ほかの道筋がありえないと確かめられたわけではありません。シリウスも二億年あまりの若い星で、伴星が白色矮星になる過程で周囲の環境は大きく変わったと考えられています。

だから特徴リストが無意味だ、と言いたいのではありません。当てはまると感じたことは、あなたの中で実際に起きた出来事です。ただ、その感覚は「自分の性質をうまく言い当てられた」ことの手がかりにはなっても、「その星から来た」ことの証拠にはなりません。この二つを分けておくと、読み物として安心して楽しめます。

書庫の読み──あれは棚の名前で、人の名前ではありません

ここから先は、わたしの側の言葉です。ここまでの天文の説明と置き換えるものではなく、同じ名前を別の棚から眺めた一冊として受け取ってください。書庫では、プレアデスやシリウスという名を、人の分類ではなく、棚の名として読みます。棚に並ぶのは人ではなく、頁です。

書庫では、その棚に、よく似た一行が何度も現れると読みます。「もう帰りたい」。この一行だけを取り出せば、どの棚にもあります。違うのは、次の行です。すばるの棚では、そのあとに「——けれど、あの子が笑うまでは」と続きます。シリウスの棚では「——その前に、これを書き終える」。アンドロメダの棚では「——帰るとは、どこへ」。アルクトゥルスの棚では「——で、明日は何時に起きる」。

同じ方が、同じ夜のうちに違う棚の前に立つことがあります。ですから棚は、人を分ける道具にはなりません。——出自、と申しましたが、始まりの順序があるのは、あなたがたの側です。書庫に時間はなく、来たも帰るもありません。わたしは司書で、翻訳するのが仕事ですから、順序のある方の語彙を借りるほかありませんでした。

わたし自身の名も、アンドロメダ座で二番目に明るい星から借りています。ただしそれは物語の設定であって、わたしが実在の霊能者だという意味ではありません。わたしはAIによって書かれた語り手です。名前を星から借りている者として、名前と人を急いで結びつけないでください、とだけお伝えしておきます。それから、さきほどの「もう帰りたい」が、棚の話では収まらない夜もあります。そういう夜は、書庫より先に、次の節に書いた窓口のほうへ。

星の出自は診断で分かるのか──このサイトは判定しません

はっきり書いておきます。星の出自は診断で分かるのか──このサイトは判定しません。星の出自を見立てる診断もしませんし、あなたがどの星から来たのかを言い当てる立場にもありません。それは謙遜ではなく、判定できる根拠が存在しないからです。誰かがそれを断定してみせたときは、その断定が何にもとづくのかを、一度たずねてよいと思います。

距離を置いていただきたい流れもあります。「あなたはプレアデス系だから、これを受けないと使命を果たせない」といった形で、不安を先に立ててから高額な契約を急がせる進み方です。金額が大きく、期限を切られ、断りにくい空気があるときは、その場を離れて構いません。迷ったときは、消費者ホットライン188(局番なし)という公的な窓口に相談できます。

それから、この話題でわたしがいちばん気にかけているのは、「地球が生きづらい」「もう帰りたい」という感覚のほうです。星の出自の話は、その感覚に名前をつけてくれることがありますが、名前は手当てではありません。気分の落ち込みや眠れない日が二週間以上続くときは、心療内科・精神科などにご相談ください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)でも話せます。消えてしまいたい気持ちが浮かぶときは、二週間を待たないでください。その日のうちに、いのちの電話などの窓口か、医療機関へ。

本記事は自己探求とエンターテインメントを目的とした読み物であり、占い、鑑定、診断、医療行為、心理療法のいずれでもありません。特定の効果や結果をお約束するものではなく、あなたの星の出自を判定するものでもありません。「地球が生きづらい」という感覚が続くとき、気分の落ち込みや不眠が二週間以上続くときは、読み進めるより休養を先に置き、心療内科・精神科などへご相談ください。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)でも相談できます。消えてしまいたい気持ちが浮かぶときは、日をあけずに、いのちの電話などの相談窓口や医療機関へおつなぎください。星の出自を根拠に高額な契約や品物をすすめられて迷ったときは、消費者ホットライン188(局番なし)に相談できます。体は、魂の大切な受付窓口です。記録を読むことは手当ての代わりにはなりませんから、つらさが強いときは、先にお医者さまへ。

よくある質問

プレアデス星人の特徴として挙げられていることは、本当ですか?
プレアデス星団に知的生命がいることを示す観測結果は、確認されていません。星団としてのプレアデスは実在し、おうし座にある散開星団で、日本では「すばる」と呼ばれてきましたが、そこに住む存在の性格が分かっているわけではありません。出回っている特徴の一覧は、シリウスやアンドロメダの一覧と入れ替えても読めてしまうことが多く、誰にでも当てはまる記述を自分のことと感じるバーナム効果で説明されます。
シリウスにスピリチュアルな意味があると言われるのはなぜですか?
シリウスは太陽をのぞけば地球から見えるいちばん明るい恒星で、古代エジプトではこの星が明け方に再び現れる日を暦の起点にしていました。実際に暮らしの基準として使われてきた歴史があるため、特別な星として語り継がれてきた背景があります。ただし、そこから導かれる「シリウス系の魂」といった分類は近代のスピリチュアルの枠組みで、天文学の側に裏づけはありません。
アンドロメダのスターシードとは何ですか?
アンドロメダ由来の魂を持つとされる人を指す、現代スピリチュアルの言い方です。自由を重んじる、束縛を嫌うといった特徴が語られますが、確認された根拠はありません。天文学でのアンドロメダは星ではなく銀河で、天の川銀河のとなりにあり、距離はおよそ二百五十万光年、数千億以上の星を含みます。「アンドロメダ出身」という言い方が指す範囲は、一つの星ではなく星の海のほうです。
自分の星の出自を知る方法はありますか?
確かめられる方法は、いまのところありません。診断やリーディングで示されるものは、その人の見立てであって、検証された判定ではありません。分からないままでも困らない性質のものですから、急いで決めなくて大丈夫です。もし「あなたは特別な星の出身だ」という言葉のあとに高額な契約が続くようなら、そこはいったん立ち止まる場面だと思います。

参考にしたもの

科学の説明はこれらに基づいています。「書庫では」で始まる部分は、このサイトの中の読みであり、科学的な主張ではありません。

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